TOP 競技プログラマーのための就活講座就職活動について3-2

3-2評価のポイント

  • 選考の初期段階は人柄を、2次以降は専門性を評価するケースが多いが、企業によって異なるため志望企業の選考情報は収集必須
  • 面接序盤は印象を、中盤~終盤は対話を意識すると良い

面接の過程で求められるレベルは上がっていく

 『3-1 IT人財採用で実施される面接形式』、先輩競技プログラマーの体験談に記載されていたように、面接の各段階で求められていることは異なっており、聞かれる質問や深堀りされるポイントが変化します。一般的には面接の段階が進むに従って、よりマッチングに関わる質問が増えていきます。技術的な面が具体的に評価されるのは2次面接前後が多く、体験談でも「研究」「技術的な話」「開発物」に関する言及が多く見られます。「初期の面接ではあまり上手に話すことができなったが選考は通過した」という事例があるのは、IT人財として一定の経験が確認できている関係などで初期面接の通過条件が低くなっていたためと言えます。とはいえ、企業のことを調べる、自己分析を済ませるといった準備を全くしていなかったがために、初期面接の通過条件すら超えられない例も多数ありますので、どの選考段階でも準備は必要です。
 体験談にも記載があった通り、最終面接のタイミングでは既にマッチングは完了しており、入社の意思確認のみという企業もあります。企業情報や働き方を、HPや採用サイト、説明だけでなく、初期面接の中でも質問し、収集するよう心がけましょう。

IT人財でも自己理解・企業理解と合わせてコミュニケーション力が重要

 面接の評価ポイントを考える上で、面接官の重要度が高い要素は『明るさ・笑顔・人当たりの良さ』『入社したいという熱意』『職場の雰囲気に合うか』で、次いで『素直さや伸びしろ等の成長可能性』となっています。大別すると「印象」「マッチング」「学生の資質・能力」であり、自己分析でも解説をした「自己理解」「企業理解」に加えて、面接でのコミュニケーションが3つの柱と言えます。IT人財として多くの人が就職をするソフトウエア・通信に限定してみると、面接でのコミュニケーションに関わる各項目の重要度が下がり、『ストレス耐性』『地頭の良さ』『技術的・専門的な知識』の重要度が上がっています。技術的な能力をより評価しようという傾向が見られ、競技プログラマーとして培った経験や実績は1つの武器になると言えるでしょう。ただし、IT人財においても要件定義やプロジェクトマネジメント、運用サポートなど、コミュニケーション能力が求められるシーンが業務上にあるため、実績があるから面接でのコミュニケーションは不問ということはありません。得意不得意に関わらず、面接準備は必ず行いましょう。

評価のポイントは印象→対話

 他学生との相対化や次の面接官の引継ぎなどの観点から、実際の面接では評価をポイントとして数値化していることが多いです。数値化にあたっての項目設定や配点は企業によって異なるため、図の評価項目ほど細分化していないことが多いですが、いずれの企業も大きく「印象値」と「対話力」で構成されています。「印象値」は、面接での振る舞いを項目化しているもので「第一印象」「視線・表情」「声の大きさ」「姿勢」「落ち着き」などが分類されています。一方「対話力」は、発言の受け答えを項目化しているもので「理解力」「説得力」「言葉遣い」「誠実性」「熱意」などが分類されています。IT人財の採用では「ストレス耐性」の項目が加わることもあり、ガクチカ、研究/学習内容の中で、苦労した経験の内容などから評価しています。
 配点としては、面接が進むほど、より対話が重視されることもありますが、どの段階においてもどちらかに大きく偏ることはなく、面接官が一緒に働きたいと印象・対話の両方で思ってもらえるよう、バランスよく取り組むことが大事です。「印象値」は面接時間の序盤で点数が決まるような項目が多く、「対話力」は面接時間を通じて評価されるため終盤でも挽回が可能な項目が多くあります。面接は、「序盤は印象、中盤~終盤は対話」と意識すると良いでしょう。

面接対策

IT人財採用で実施される面接形式や評価のポイント、面接を突破するためのテクニックについて、先輩競技プログラマーの事例を交えつつ解説します。苦手意識のある方でもすぐに実践できるノウハウをお伝えします。