TOP キャリア 働く競技プログラマー図鑑IT興隆期からの知見と競技プログラミングスキルを武器に、システム開発部門を牽引
IT興隆期からの知見と競技プログラミングスキルを武器に、システム開発部門を牽引
2021.12.13
鈴木 拓暁 Hiroaki SUZUKI
理学部-/レーティング:青/業種:広告/職種:開発エンジニア/株式会社マイナビ
IT興隆期の1990年代後半からIT開発会社やレンタルサーバー運営会社に勤務した後、2006年に株式会社マイナビへ。商用サービス開発の技術サポートや商用ITインフラ基盤の設計・運用などの担当を経て、21年からは新設された内製開発部門で部長を務め、新規ITサービスの開発と、それを担う開発部門の構築と育成に取り組んでいる。
競技プログラミングと私
事業会社のITエンジニアとしてのビジネス視点
競技プログラミングとの出会い
小さな頃から数理系パズルが大好きで、競技プログラミングにはその延長のような感覚で、社会人になってからもたびたび参加してきました。なかでもAtCoderのコンテストはほぼ毎週開催されているので、熱心に参加して腕を磨くうちに社内でも仲間ができ、互いに楽しみながら切磋琢磨していくようになりました。また、知見を高めITエンジニアとしての勘を養うために、セキュリティ知識が求められるCTFやサービスパフォーマンスチューニングコンテストのISUCONなど、日頃からAtCoder以外にも幅広いIT系コンテストに挑戦しています。
仕事観
前職ではレンタルサーバー運営会社で、サーバーシステムの運用や設計、顧客向けシステムの開発などに携わるなかで技術力を培い、成長を感じていたのですが、いつの頃からか「よりビジネスと直結するようなプロダクトを手掛けたい」と考えるようになり、幅広いWEBサービスを展開しているマイナビへの転職を決めました。以来、事業会社のITエンジニアとして、ビジネスと社会実装の視点を持つように心がけてきました。とくにここ数年は社外向けのto C用プロダクトの開発に携わることが多いため、つねに「システムの改善やサービスの拡大のためにはどうすればよいか」「ユーザーのニーズはどこにあるのか」といったことを念頭に業務に取り組んでいます。
仕事のリアル
システムの内製開発強化に向けて、ITエンジニアを育成中
仕事内容
当社では、以前はITシステムの開発を外部のベンダーに委託することがほとんどだったのですが、ここ数年、全社的にDXを推進する流れのなかで、内製開発を強化するための新部門が立ち上げられました。私は現在、そこで部長を務めています。ITシステムの設計や一部実装を行うこともありますが、主要業務は部門全体のマネジメントです。発足から間もないこの部門の構築と強化、そしてそれによってプロダクト品質やサービス開発・改善スピードを向上させることがミッションのため、ITエンジニアの育成にも力を入れています。
魅力とギャップ
ITエンジニアの仕事というと、プロジェクトメンバーがそれぞれ個別で設計や開発に黙々と取り組むものだというイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、当社の内製開発部門ではそんなことはありません。むしろメンバー同士が常にコミュニケーションを取り合い、刺激し合うことで大きく成長していける環境が整っていると思います。たとえばここ半年ほど、メンバー一人ひとりが業務で得た知見や情報を共有し、互いにスキル向上をはかるためのLT会を定期的に実施しています。毎週、メンバーが持ち回りでテーマを決めてプレゼンを行い、そのテーマについて皆で話し合う場なのですが、ときには他部署からゲストを呼んだり、インターンシップの学生が加わったりと交流も活発です。
1日のスケジュール
- 10:00
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出社。SlackやGitHub、メールのチェック。一日のタスクの確認。
- 10:30
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開発チームとの朝会。開発プロジェクトの状況を確認。
- 11:00
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設計ドキュメント作成。
- 13:00
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昼食。
- 15:00
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サービス企画チームとの打ち合わせ。
- 17:00
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メンバーとの1on1ミーティング。
- 18:00
-
コーディング。
仕事と競技プログラミング
競技プログラミングで培った知見をシステム設計など幅広い業務に活かす
活かせる・求められるスキル
ITシステムの開発業務はもちろん、ITシステムアーキテクチャの設計や業務分析など、幅広い業務において競技プログラミングで培ったアルゴリズムの知見が役立っています。とくにシステムの設計においては、多くの求人案件や求職応募を取り扱うHR系システムなど大量のデータ処理が必要となるケースがあるため、競技プログラミングでの経験がモノをいいます。なかでもAtCoderのコンテストは制限時間内に正確なコーディングが求められ、TLEやREが発生した場合のデバッグも重要となるので、つねに緊張感を持って取り組む集中力が鍛えられます。また、与えられた状況下でどんなツールを用い、いかに適切で効率的な設計・実装を成し遂げるか、といった発想力・考察力も高めることができます。こうして得た学びやスキルは、ITエンジニアの日々の業務に欠かせない要素だと感じています。
今後の展望
WEBサービス開発は、ユーザー側とビジネス側のニーズを汲み取り、迅速に対応・改善していく必要があります。そのためにフェーズをいくつもの小単位に区切って、開発とリリース、検証を繰り返すアジャイル的手法を採用しています。そうしたビジネス的センスや考え方を部門全体に根づかせながら、まずはメンバー一人ひとりをしっかり育て上げることが肝心だと考えています。内製開発部門はまだ発足して間もないチームではありますが、組織力を向上させることで、いずれは当社を代表するようなプロダクトサービスを生み出す部門にしていきたいですね。