野村ホールディングス株式会社 Nomura Holdings, Inc

求める競技プログラマー像と仕事

アルゴリズムを武器として経済や企業活動のダイナミクスを再定義する

競技プログラマーを求める理由

　弊社では、データ解析を通じて経済や金融市場、企業活動のダイナミクスの分析を行っておりますが、利用するアルゴリズムの違いによって、同じ問題設定でも分析結果が大きく変わってきます。どのようなアプローチで分析を行うのかはまさに研究者・開発者としての腕の見せ所であり、与えられた仕様要件に沿ってシステムを開発して仕事を終了させるということではなく、開発すべき仕様を自ら考え抜き、より良いアルゴリズムとして実装するために、金融や情報技術に関する知識を常に学び続ける姿勢が必要です。また一般に、金融サービスでは、推定精度だけでなく、結果についての説明責任も求められるため、既存のライブラリーを使ってとにかく実装だけすれば良いということではなく、利用するアルゴリズムに対して深く理解することが求められます。この点、未知の問題に対して数理的な解決策を深く考え抜き、自分が正しいと思うアルゴリズムを実装するという競技プログラミングでの経験が大きく生かされる仕事だと考えております。

募集職種と仕事内容

　競技プログラマーを想定した職種としては、データサイエンスに基づく研究・コンサルティング職、トレーディング・アルゴリズムの開発職、機械学習などを活用した資産運用手法についての研究・開発職、確率微分方程式をはじめとする数理手法に基づく金融商品開発職、ビッグデータ基盤の開発職などがあります。課題を数理モデルによって解決する仕事は、その成果が数値的に明確化されるため、年次や性別に関係なく客観的にパフォーマンスを示すことができますし、実際に入社2年目で政府プロジェクトをリードした社員もおります。また、弊社では長年にかけて構築してきた法人顧客基盤があり、自ら考案したシステムやモデルをスケールさせる土壌があります。自ら考案したアルゴリズムが大きな社会的インパクトを持つことにやりがいを感じることも多いかと思います。

事例・実績

　対外公表しているところでは、深層学習を活用して株価推定と株価変動の因果推定を同時に行うモデルの開発、転移学習に基づいて少ないデータサンプルでも精度を落とさずに将来価格の推定を行うモデルの開発、相場の異常を知らせるシグナルをスパースモデリングによって検知してリスク管理に生かすモデルの開発などがあげられます。こうした研究成果はAAAIやIJCAIをはじめとした人工知能分野のトップカンファレンスなどでも公表しており、同じ分野のトップレベルの研究者たちと交流し、知見を深める機会を得ることもできます。

働く環境・雰囲気

言語の壁を越えて数理の力で世界へと飛翔する

職場の雰囲気

　当グループは米国のリーマン・ブラザーズを承継したこともあって、3万人弱のグループ社員の半数以上が海外籍であり、東京でも部門によっては日常業務の大半のコミュニケーションが英語であるなど、グローバルなカルチャーが浸透しています。日本にいながら、まさにグローバルなビジネス環境を体感することができます。
　また、グループ内には、経済分析、企業分析、金融市場分析、統計数理、テクノロジー、法律、会計など、さまざまな分野のエキスパートが多数在籍しており、技術的な意見交換だけではなく、その技術をソリューションとして社会に還元していく際に、様々な観点から専門的なアドバイスを得ることもできます。

キャリア支援

　30年以上にわたってクオンツを採用してきたこともあり、数理専門家を評価する土壌はしっかりと根付いていると自負しています。事実、弊社における最高職位であるマネージング・ディレクターを務めるクオンツも複数名おります。また、入社後の金融等の知識を習得するために「Global Learning System」というオンライン研修システムが整備されており、膨大な種類のオンライン講義を受講することができます。また、部門によってはCoursera等の外部研修システムの活用を推奨したり、大学の博士課程進学をサポートする制度も用意されています。

働きやすさ

　金融機関の情報技術に関する研究・開発職は、グローバル大手のIT企業等と比較すると少数精鋭の組織編成となりますが、逆に数が少ないからこそ、研究に専念する役割が与えられ、また社内外で「個人として」活躍が認知される機会が多いのではと思います。 また個人レベルでも、最先端の情報技術のキャッチアップやアルゴリズムについて創意工夫する自助努力が強く求められます。そうした自己研鑽の一環としてAtCoderに取り組む社員もおり、実際に黄色以上のランカーも数名在籍しています。

競技プログラマーへのラブレター

風通しの良い環境が奏功し、多彩な業務を担える人材に成長

メッセージ

　学生時代には宇宙工学を専攻していたのですが、次第に金融工学に惹かれるようになり、最終的には金融業界を志望するようになりました。そして「これからの金融業界ではITスキルが必須だ」と考え、最初のキャリアとして当社のIT部門を選択。入社後はエンジニアとして働いていますが、現在はビジネスデザインも含めたシステム開発やデータサイエンスに関する業務など、“何でも屋”のような多岐にわたる業務に携わらせてもらっています。
　そのなかでも今は主に仕組債（デリバティブを組み込んだ債券）を顧客に提供するための土台となるシステムの構築や運用に携わっており、そのエンジニアチームのリーダーを務めています。仕組債は利害関係者が非常に多く、仕組みが複雑なのですが、ビジネス部門とともに最適なシステムのあり方を模索していくのは知的探求心も大きく満たされ、タフでありながらもやりがいのある仕事だと感じています。今でこそ前向きに業務に取り組んでいる私ですが、実は入社当初は自分の業務内容について思い悩む時期がありました。そのときに上司が真剣に相談に乗ってくれたおかげで、気持ちを切り替え、少しずつ前向きになり仕事へ取り組めるにようになったのです。このように上司が真剣に若手社員に向き合ってくれる風通しの良さも、当社の特色の一つだと思っています。

AtCoder編集部より

競技プログラマーの特性と向学心を発揮し、グローバルビジネスに挑戦せよ

　インターネットでの金融取引が当たり前となった今、金融業界ではナノ秒単位の処理速度の向上や予測の正確性が求められており、各社が全力をあげてシステムやモデルの開発に取り組んでいます。そのなかで、豊富なクオンツ人財を擁する野村ホールディングスはまさにリーディングカンパニーであり、膨大なナレッジとビッグデータを蓄積しています。情報系を専攻してきた競技プログラマーにとっては少々ハードルが高い と感じるかもしれませんが、社風が実にオープンで風通しが良く、学びの機会が十分に用意されているので、向学心を持って業務に臨めば、早い段階でグローバル規模のシステムやモデルの開発に携わることができるかもしれません。競プロで培った思考力や処理能力の速さは、こうした現実のビジネス課題に取り組む上でも大いに役立つはずですので、ぜひともスキルに磨きをかけながら活躍の場を広げていってほしいと思います。